コラム

逆引きマーケ Vol.14:
AIに聞かれる時代、企業は何を発信すればよいのか。

2026/10/29

「ナレッジソースマーケティング」という考え方

ナレッジソースマーケティング。

どうですか、良い響きですか(笑)。

実は最近、私が勝手に考えた言葉です。

最近、何かを調べるとき、検索結果のリンクを一つずつ開くことが少なくなりました。

AIに質問すると、答えが返ってきます。

便利になりました。

でも、Webサイトを制作・運営している私には、少し気になることがあります。

「その答えの元になっている情報は、いったい誰がつくっているのだろう」

ということです。

AIは、何もないところから正しい情報を生み出しているわけではありません。

誰かが調べ、考え、経験し、発信してきた情報が、その答えの土台になっています。

そう考えると、企業のWebサイトが果たす役割も、少し変わっていくように思います。

企業の中には、まだまだ情報が眠っている!

今でも「オウンドメディア」という言葉はよく使われています。

企業が自ら情報を発信することは、すでに当たり前になりました。

でも、私は最近、もう少し深いところに価値があるのではないかと考えています。

例えば、製造業の会社なら、長年の経験から得られた技術や工夫。

医療に関わる団体なら、専門家だからこそ説明できる知識。

地域の企業なら、その土地で仕事を続けてきたからこそ知っていること。

あるいは、お客様から何度も聞かれる質問への答え。

そんな情報が、どこの会社にもあるのではないでしょうか。

それらは、必ずしも派手なニュースにはなりません。

でも、その企業だからこそ発信できる、事実と経験に基づいた情報です。

そして、誰かにとっては、とても役に立つ情報かもしれません。

私は、こうした知識や経験を、もっと社会に届けられないものかと思っています。

情報を発信することから、情報源になることへ!

これからの企業Webサイトは、情報を見てもらう場所であると同時に、信頼できる情報を社会に提供する場所になっていく。

そんな気がしています。

もちろん、検索エンジンからの集客は、これからも大切です。

最近では、AEOやGEOといった、AIによる回答や検索での情報の扱われ方を意識した考え方も広がっています。

ただ、AIに取り上げてもらうことだけを目的にするのは、少し違うように思います。

まずは、人にとって正確で役に立つ情報であること。

そのうえで、AIにも理解しやすく、参照しやすい形に整理すること。

情報の出典や更新日を明確にしたり、内容を分かりやすく構造化したりすることも大切になるでしょう。

そうした取り組みを、私は、

「ナレッジソースマーケティング」

と呼んでみたいと思っています。

企業が持つ知識や経験を、信頼できる情報源として育てていくマーケティングです。

企業の知識を、社会の情報資産へ

私の頭の中では、こんなイメージです。


KSM(ナレッジソースマーケティング)

企業の中にある知識や経験を掘り起こし、整理し、Webサイトや動画などで公開する。

そして、一度つくって終わりではなく、新しい情報を加え、古い情報を見直し、少しずつ育てていく。

それが人に読まれたり、AIの回答で参照されたりすることで、企業への理解や信頼につながっていく。

もちろん、AIが必ず取り上げてくれるわけではありません。

でも、たとえAIに引用されなくても、正確で有益な情報を公開することには価値があるはずです。

「つくる」から「育てる」へ

私たちの会社は、長年、お客様のWebサイトを制作し、運営してきました。

最近は、単にWebサイトをつくるだけではなく、お客様が持っている情報や知識を一緒に見つけ、それをどう伝えるか、ということにも関心が向いています。

お客様にお話を伺い、情報を整理し、公開し、反応を見ながら改善していく。

そんなお手伝いを、これからもっとしていきたいと思っています。

考えてみれば、Webサイトをつくることよりも、その中に何を蓄積していくかの方が、長い目で見ると大切なのかもしれません。

そして、その積み重ねが企業の信頼となり、ブランドを育てていく。

そんなことを考えています。

ナレッジソースマーケティング。

少し大げさな名前をつけてしまったでしょうか(笑)。

でも、AIが答えてくれる時代だからこそ、その答えの元になる情報を、誰が、どんな思いでつくっているのか。

そこに、これからの企業Webサイトの新しい価値があるように思います。

AIが答える時代だからこそ、人間が持つ知識や経験の価値を、もっと大切にしたい。

AIがどれほど賢くなっても、その答えの元になるのは、誰かが積み重ねてきた知識や経験なのだと思います。

それでは、ミュージックをどうぞ

◆筆者:辻 正雄

デジタジオ株式会社(ビジコン運営)代表
株式会社アーティストユニオン代表
経営者に寄り添うマーケター:マサオフィス